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フィンランドで日本の食文化を守り伝える“寿司店オーナー小市ご夫婦”

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小市 泰広さん・尚子さんご夫婦 -Yasuhiro & Naoko Koichi-

“進化しながら伝統を伝える寿司店オーナー”

 

小市さんの握るお寿司は心をホッとさせてくれる

それは小市さんの愛情がお寿司を通して伝わるから今や世界共通言語と言って良いほどフィンランドでも浸透している“寿司SUSHI”

日本を代表する和食文化をここヘルシンキで伝え続けているのが

僕のホームスタジアムのすぐ近くに

お店“Sushi Wagocoro 和心”を構えている小市さんご夫婦だ

 

はじめて小市さんのお店を訪ねた時

なんだか心が落ち着いたのを覚えている

実家に帰ったときに心がほぐれる様なあの温もり

 

それは小市さんご夫婦がこのお店を子供のように大切に守ってこられ

深い愛情にお店全体が包まれていたからだろう小市さんご夫婦がこの地を選んだのは子供の教育のため

“異文化の中でバイリンガルとして子供を育てたい”

そう考え海外の求人を探したのは奥様

その時たまたまヒットしたのがフィンランドだった

導かれるように話は進み

2ヶ月後には全ての荷物を整理しヘルシンキに住まいを移していた

家族全員での移住

あまりの忙しさにこの時の記憶はないという当時2歳になる息子を連れて移り住んだフィンランド

はじめはカルチャーショックの連続だったそう

今でこそヘルシンキでも土日に営業しているお店が増え便利になってきたが

小市さんご夫婦が移り住んだ2009年にはデパートすら日曜日は休業

スーパーも飲食店もほとんどが休み

慣れるまでは不便で自由が効かないなと感じた事もあったそうだ

 

一方でお店が開いていないのなら

家族でゆっくり過ごそう

自然や森に行ってみようか

東京で働いていた時には考えもしなかった時間の使い方ができた

ゆっくりした時間に慣れるのも一苦労だったが

気付いた頃には “家族で過ごす時間”が日常になった子供の教育の為の移住

日本の寿司屋で働いていると

“子供と過ごす時間はほとんどない”それが当たり前だと思っていたが

フィンランドでは全く違う

言語の環境以上に家族と過ごす時間がしっかりと出来た事が

子供のために選択した最善の“環境”だったのだろう

 

過ごしてきた時間の尊さと充実感が

小市ご夫婦の表情から伝わってくる

 

移住して3年 働いていたお店を辞めて独立を決意

物件を探したが難航した

たまたま今のお店の前を通りかかった際に見つけた

空き店舗の広告

偶然見つけたこの店舗のオーナーさんが日本好きな事もあり

オープンするのに様々な手続きを手伝ってくれたこの出会いがなければ今のお店は存在しない

“場所”との出会いだけでなく “人”にも出会えた事が

ここでお店を構える事ができている要因

勤勉さと愛情そして真っ直ぐな強さ

小市さんご夫婦の人柄が全てを引き寄せているのだろう

僕は話を聞きながらそう感じた

 

オープンしてからも試行錯誤の日々

日本に比べ手に入る海産物の種類が少ない

ゆえにフィンランド人に食べ馴染みのない食材をいかに美味しく提案していくか

郷に入れば郷に従えだ

食文化を知り 好みを夫婦二人三脚で探求し続けた

かつ日本の寿司文化を守りながら…お客さんが来ず 2人でボケーっと過ごす日もあったそう

けれど“この美味しさがちゃんと伝わる日は来る!”

その自信は常に持っていた

 

その自信と努力が実を結び…

3年ほど経った頃には想像以上に忙しい日々となる

様々なお客様に出会える様になった反面

忙しさのあまり体調を崩してしまった

これもきっと小市さんの勤勉さゆえであろう

 

この時を境に価格や営業時間を見直し

表の看板も出すのを辞めた

その代わりに“さらに質の高いお寿司”を突き詰め続けている小市さん達は夏に1ヶ月の夏休みを取っている

この期間に日本に帰るのが毎年の流れ

日本に帰ると家族や知人からは

「こんなにお店を閉めてて大丈夫なの?」と決まってこの質問だ

日本にいれば当然そう けれどフィンランドは違う

飲食店でも夏休みを1ヶ月とるお店は普通にあるし

もっと長く休むお店もある小市さんのお店の営業は夕方まで

これも日本のお寿司屋さんでは考えられないことだろう

日本とフィンランドで決定的に違うのは

“休む”ことへの価値観だと僕は思う

日本人は“働くこと”に関しては非常に価値が高く

“休む”ことに対してどことなく批判的な雰囲気がある

それは飲食業に限らずだ

 

“休む”ことに関する根本的に異なる考え方

この国では休む事が仕事の評価に直結しないのだ厳しい時も沢山あったが

日本に帰りたいと思ったことは一度もない

と迷いなくおっしゃる小市さん

 

この地で“美味しい寿司”を守り伝える覚悟と

ご夫婦で築き上げてこられたお店に対する愛情を強く感じると共に

お二人の絆に心がうずいた

なんてカッコイイご夫婦なんだ

 

小市さんご夫婦と話をしていると

お互いに感謝敬意愛情が手に取るように伝わって来る

そしてその感情は真っ直ぐに息子さんにも向けられている

 

“頑張ってくれてるんですよ”

移住する厳しさとそこで得られた豊かな時間

共に経験され

家族みんなで歩んで来たからこその労いの言葉

 

改めて 小市さんご家族とこうしてゆっくり話ができた事が

僕にとって大きな財産となった“職人さんと女将さん”

誇り高く 強く 逞しく 愛情深い

まさにそんな小市さんご夫婦

お二人の人柄がお寿司から伝わってくる

だから“Sushi Wagocoro 和心”さんのお寿司は“美味しい”んだ

 

ここからは小市さんへのインタビューをお届けします!

 

-大切にしているモットーは?

美味しいお寿司を作る!

お客様に喜んで頂けるお寿司、それを毎日毎日考え、提供し続ける事。

日々の積み重ねが全てです。

 

-小市さんにとってお店“Sushi Wagocoro 和心”とは?

息子みたいに思っている。次男ですね。

妻と一緒に育ててきたすごく大切なもの。

 

-フィンランドでお寿司屋さんを営む難しさは?

日本でやっている時とは思考が全く変わりますね。

魚の種類も少なければ、常に購入出来る魚は本当にわずか。

日本では魚を安定して手に入れる事が出来ますから、仕入れの段階から全く異なりますね。

あとは、日本人の様に様々な海産物にフィンランド人はまだ慣れていません。

例えばイカとか。そういう彼らにとっての新しい食材を抵抗なく美味しく食べてもらうにはどうするべきか、

こういうところはフィンランドに来てから難しいと感じるところですね。-フィンランドの教育は実際どうですか?

非常に個性を大切にする教育だと感じます。

日本は皆一緒というのが強い気がしていますので、そのあたりが大きな違いだなと。

出来の良し悪しはあまり関係ない印象ですね。

三者面談では日本語の通訳をつけてくれるので非常に安心できます。

とても良い制度ですね。

また、息子には学校でフィンランド語の授業の他に、フィンランド語が母国語で無い生徒に向けたフィンランド語の授業もあります。

たまたま息子の学年では対象が息子だけなので、マンツーマンで指導してもらっています。

フィンランドでは公用語のフィンランド語とスウェーデン語の他にも小学生の頃から他言語を学び始めますが、

息子には日本語があることを考慮してくれて、他言語を選択せずに良いとしてくれています。

この辺りもひとりひとりに合わせた教育で良いなと思いますね。実際に有難いです。

 

-フィンランドでの子育てはどうですか?

日本でお寿司屋さんをしていると当然、夜も土日も祝日も休みはありません。

息子と過ごす時間は少なかったですね。

フィンランドにきてから子育てや家事をする時間も増えたので、良かったなと感じています。-フィンランドのサウナはどうですか?

好きです!アパートの共有サウナを5年くらい続けていましたが、コロナの影響で今は閉鎖されてしまっています。

月に15ユーロで週に1回、日曜日に予約していたので、サウナに入り

月曜日からの仕事に備えるという良い流れができていたんですけれど。

 

-和心をやっていて良かったことは?

いろんな人と出会えること。ここを通してお友達が出来たり。

そして日々、たくさんのことを勉強させてもらっています。

小市さんご夫婦の挑戦はまだ旅の途中だと..

日本の食文化を守りフィンランドで進化し続ける和心こもったお寿司

大好きです!!!

 

モイモーイ

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